最強の”矛盾対決”?大谷対スネル ホームラン5.3倍はチャンスか【7月4日パドレス戦】
6月月間MVP同士の対決
現地時間4日、サンディエゴ・パドレスと対戦する大谷翔平の所属するロサンゼルス・エンゼルス。
6月は27試合に出場し、104打数41安打、打率.394、15本塁打、29打点と記録的な活躍を見せ、2年ぶりのア・リーグ月間MVPに輝いた大谷。パドレス戦でも豪快な一発に期待がかかる。
Embed from Getty Imagesパドレスの先発はブレイク・スネル。今シーズンここまで4勝7敗ながら、6月は3勝1敗、防御率0.87、53奪三振でナ・リーグ投手部門の月間MVP選出。安定したピッチングから一転、突如制球が乱れ失点を喫するイニングを作る不安定さは見られるものの、徐々に2018年サイ・ヤング投手に輝いた本来の実力を発揮するように。
150kmを超えるノビのあるストレートとスライダー・カーブのメリハリがある投球が特徴で、変化の大きいスライダーとカーブの被打率はともに1割を切る。今季ここまで最も変化球の打率が良い、大谷との“最強の矛盾対決”がこの試合の見どころになるだろう。
Embed from Getty Images大谷はスネルからホームランを放てるか
まずは、この試合で設定された大谷のプレイヤープロップのオッズを見てみたい。
Stake.comから。こちらはカジ旅>。
stake.comではホームランが5.33倍つくのに対し、カジ旅では3.5倍となっている。流石ベッター御用達のStake.comだが、もしも大谷がホームランを打つと予想するなら当然オッズは高いに越したことがない。なのでstake一択になりそうだ。
そこで気になるのが、大谷がホームランを打つ可能性は5.33倍のオッズに見合うのかという問題。特に、通常であればホームラン+1に3倍ほどがつく大谷が、この試合で5倍を超えるマイナス要因はどこにあるか。
大谷は左投手を苦手としている?
オッズ上、パドレス戦での大谷ホームランが通常よりも起きにくいと考えられている理由としては(スネルが人気選手であるために低く出ている可能性は一旦考えない)
- パドレス先発の好調スネルが攻略しにくい相手である
- 大谷が左投手を苦手としており本塁打が出にくい
といった点が考えられる。
後者から見ていこう。一般に野球の常識では左対左は打者にとって分が悪いとされるが、大谷は左投手を苦手としているのだろうか。2020年から22年と、今シーズンここまでの左右投手別の大谷の打撃成績を以下にまとめた。
2020年 | 打数 | 打率 | 本塁打 | 打点 |
対左 | 44 | .182 | 1 | 4 |
対右 | 109 | .193 | 6 | 20 |
2021年 | 打数 | 打率 | 本塁打 | 打点 |
対左 | 198 | .263 | 18 | 34 |
対右 | 339 | .254 | 28 | 66 |
2022年 | 打数 | 打率 | 本塁打 | 打点 |
対左 | 205 | .263 | 9 | 27 |
対右 | 381 | .278 | 25 | 67 |
この数字を見ると左右の投手の別なく打っていることがわかり、大谷が左投手を苦にしていないことがわかる。
本塁打率(打数÷本塁打数、AB/HR)で見ても、年によってばらつきがあるものの、特に左投手を苦手としている傾向は見られない。むしろ打っている年は左投手相手の本塁打率の方が高いとさえ言える(それにしても今シーズンの成績が恐ろしい)。
本塁打率 | 20年 | 21年 | 22年 | 23年 |
対左 | 44 | 11.00 | 22.77 | 9.88 |
対右 | 18.16 | 12.10 | 15.27 | 10.95 |
つまりホームランが出にくいと考えられている要因は大谷側ではなく、スネルの好調さにあると考えるのが自然だろう。
スネルは本塁打が打ちにくい相手なのか
ブレイク・スネルは今シーズンここまで被打率.208、被本塁打は11。投球イニングが少ない年を除けば、キャリアを通じて9回あたりの被本塁打0.8〜1.2で推移しているので、今季の1.1も取り立てて多いとは言えないだろう。
プレー映像を見ているとストレートにタイミングが合い、出会い頭に一発を浴びるケースが多い印象を受ける。
Embed from Getty Imagesストレートをうまく弾き返せばスタンドまで運ぶのは難しくないだろうが、当然ながらバッテリーもそう甘い配球はしてこない。左打者から逃げるカーブ、スライダーでタイミングを外されれば、一見素直に見えるスネルの直球も仕留めるのは簡単ではないだろう。
こうしたさまざまな要素を考えると、5.3倍というオッズがとても良い線をついてると思えてくる(3.5倍はノーベット)。確率的には5.3倍のオッズは悪くないとも言えるが、とはいえ大谷有利だと思える材料も手元にないのは確か。なので行くにしてもそれは限りなく丁半博打に近いギャンブルベットになるだろう。薄く押さえつつ、試合展開を見ながらライブベットという方法が無難かもしれない。
好調大谷がスネルを攻略するか、キレのある変化球で大谷を封じるか。2人の対決に注目したい。