テニス四大大会(グランドスラム)の一つで、世界最古の歴史を持つテニストーナメント・ウィンブルドンが、3日からロンドン市南部ウィンブルドンのオールイングランド・ローンテニス・アンド・クローケ・クラブで開催されています。
ウィンブルドンでは、男子シングルス、女子シングルス、男子ダブルス、女子ダブルス、混合ダブルスの5つの競技カテゴリーがあり、シングルスでは128人、ダブルスでは64組のチームが出場し、優勝トロフィーを目指し芝のコートで手に汗握るラリーを繰り広げます。
この記事ではテニスにおけるスポーツベッティングの基本ややり方、オッズ変動のアルゴリズム、的中のコツや優勝予想について解説します。ウィンブルドンを観戦しながら予想を楽しむ際の参考にしてみてください。
スポーツベッティングでは、試合開始前にベットする「プレマッチベット」と、試合やイベントが進行中の状態で行う「ライブベット」があります。
個人競技であり引き分けのないテニスは、ランキングや過去の対戦成績、サーフェス、その試合までの勝ち上がりの内容などから、実際の実力差や起きうる結果の可能性よりもフェイバリットが一方の選手に集まり、オッズが偏る傾向にあります。
優良オッズで知られるベッターに人気のスポーツベッティングサイトstake.comから、9日の試合のある時点でのプレマッチオッズを見てみましょう。
ノバク・ジョコビッチ、ヤニック・シナー(ともに男子シングルス)、イガ・シフィオンテク(女子シングルス)といった上位進出が予想される優勝候補の試合がリストアップされています(自動翻訳の名前表記はしばしば揺れます)。
男子よりは3セットマッチの女子の方がやや高く出ますが、それでも3選手とも1.2倍以下となっています。
感覚的にもだいぶ辛いオッズに見えますが、簡単な期待値計算から直感の裏付けを出してみましょう。
スポーツベッティングにおける期待値は、
(勝つ確率) × (1回のベットあたり獲得可能な金額) − (負ける確率) × (1回のベットあたり損失金額=賭け金)
という計算式から答えが導けます。
1回のベットあたり獲得可能な金額は、オッズにベット額を掛けた数字から掛け金を引いて計算。
また、勝つ確率・負ける確率は、ブックメーカーやベッティングサイトがある程度の精度で弾き出した勝敗確率をもとにオッズを公開していることを前提として、1を利用したオッズで割った数字を便宜的にここでの確率とします。
例えば、ジョコビッチ(1.06倍)対フベルト・フルカチュ(stake表記ではフーカクス, ヒューバート、10倍)で考えると
と各項目を揃えることができます(ユニットはベットする金額を一定の単位で表し、リスク管理やベット戦略の一環として利用するための概念。資金の10%=1ユニットなどと設定)。
これを計算すると
0.94×0.6−0.1×10=−0.436
と、期待値的には1ベットあたりマイナス0.436ユニットの損失が出る計算になり(ハウスエッジ=ベッティングサイトの取り分・手数料含む)、とても見合わないことがわかります。
例えば1ユニット5ドルであれば、1ベットあたり2.18ドルのマイナス期待値となり、この数字を見る限り避けなければいけないベットでしょう。
簡単な期待値計算から、実力差のある対戦相手とはいえ1.06倍のジョコビッチ勝利で勝負するのは、極めて割に合わないと説明しました。
では、このオッズでジョコビッチへのベットが期待値的に正当化できるケースはあるのでしょうか。
先ほどの期待値計算では勝率を(1÷オッズ)で導きましたが、この勝率計算よりもジョコビッチ勝利の確率を正確に予想できる場合はどうなるでしょうか。
一般にテニスの勝敗予想では次のような要素が考慮されます。
もしもあなたがテニス分析に明るく、こうした要素をもとにジョコビッチが98%勝利すると予想できたとします。
となり、1ベットあたり0.388ユニットのプラス期待値となり、魅力的なオッズラインだと言えるでしょう。
極端な例を挙げましたが、実際にはテニスの結果予想は難易度が高いので、オッズが片方に寄ったベットで勝負をすることはリスクが伴います。テニスベットの経験豊富なベッターの分析を参考に、慎重な判断をすることをオススメします。
Wimbledon 🇬🇧🇪🇸 Fokina +1.5 sets @ 2.17 / +117 - 1u🇷🇸 Djere +5.5 @ 1.84 / -119 - 1u🇭🇺 Fucsovics @ 4.70 / +370 - 0.5u🇨🇱 Jarry o3.5 sets @ 2.27 / +127 - 1u🇮🇹 Berrettini @ 2.31 / +131 - 1uSome brief thoughts around these plays below (🧵)LIKE IF TAILING! 💚 pic.twitter.com/ZSKPLZ0WJx— Tennis Masterr (@TennisMasterr) July 8, 2023
Wimbledon 🇬🇧🇪🇸 Fokina +1.5 sets @ 2.17 / +117 - 1u🇷🇸 Djere +5.5 @ 1.84 / -119 - 1u🇭🇺 Fucsovics @ 4.70 / +370 - 0.5u🇨🇱 Jarry o3.5 sets @ 2.27 / +127 - 1u🇮🇹 Berrettini @ 2.31 / +131 - 1uSome brief thoughts around these plays below (🧵)LIKE IF TAILING! 💚 pic.twitter.com/ZSKPLZ0WJx
プレマッチベットの難しさを説明してきましたが、この記事の後半では、初心者でも狙いやすいライブベットについて解説しているので興味がある人は確認してみてくださいね。
ここまで勝つか負けるかのシンプルな勝敗予想を前提としてテニスでのベッティングの考え方について説明してきましたが、他にどんなベット方法があるのでしょうか。
いくつかのサイトでオープンしているベットメニューを見ていきましょう。
まずは人気サイトのsportsbet.io。
試合結果、試合を通したゲームハンデ、セットカウント、特定のセットでのゲームカウントなどが用意されています。
次にstakeです。セット勝者、ゲーム数、ゲームハンデなどオーソドックスなベット方法が用意されています。
ダブルベットというのは特定のセットと試合の両方が当たった際に的中となるベット方法。stakeの特徴でもあるプレイヤープロップもありますが、内容的には基本の方法とほぼ同じですね。
イギリスが誇る老舗ブックメーカーのウィリアムヒル。ウィンブルドンが開催される国であり、テニス人気の高さがメニューの豊富さにも表れています。
賭けっこリンリンです。
ベット方法のバリエーションが豊富で、「1セットのみ勝つ」「タイブレークがある」「◯ゲームと◯ゲームの勝者」などギャンブル性の高い方法があります。
遊雅堂も基本的なベット方法がメインですね。「コレクトスコア」などハイリスクハイリターンなメニューもあります。
先に期待値計算からプレマッチベットの難しさを説明しましたが、このパートではライブベットの仕組みと狙いやすい理由について紹介します。
ライブベット(インプレーベット)とは、試合が進行中の状態で行われるベットです。スコアの変動や試合中に起こる出来事、シチュエーションに目まぐるしくオッズが変動するのが特徴です。
その時々でオッズが変動する、というのがライブベットが狙いやすい理由で、タイミングによってはリスクを抑えつつリターンを大きくするチャンスが生まれるケースがあります。
一例として日本人選手の綿貫陽介が19シードの強豪アレクサンダー・ズベレフと対戦した試合の2セット目のライブベットを見てみましょう。
試合開始時はズベレフ勝利1.1倍程度だったオッズが、第2セットが拮抗した展開で進むにつれて、1.26倍→1.3倍で上がっていることがわかります。
結果的に綿貫は7-5で第2セットを奪うのですが、セット勝者のオッズが綿貫がズベレフを上回ったタイミングで、再びマッチウィナーのオッズはズベレフ1.16になっています。
つまり、この例で考えると
といったあたりにチャンスが潜んでいたかもしれません。
また、ライブベットはより短いスパンで見ると、オッズが跳ね上がるケースがあります。
こちらの第2セット途中時点での4ゲーム、5ゲーム先取のオッズにご注目ください。
2セット目は綿貫サーブからスタートしているので、ズベレフが4・5を先取するためには、次のゲームでブレイクする必要があります。このセットは展開的に無理をしないことが予想されますが(トップ選手は5セットゲームでは、落とすゲームは45-0で落としても問題ない、などと割り切ることが多々あります)、例えばファーストポイントを奪う展開になれば、勝負どころとばかりに攻勢を強めることも容易に想像できます。
このように、ライブベットは試合観戦と並行して進めることで
というチャンスがあります。もしあなたがテニスベットの初心者でも大きなリターンを手にすること可能性があるのでぜひ試してみてください。
ライブベットに適したスポーツベッティングサイトについては、このサイトでたくさんのオススメを紹介しているのでお見逃しなく。