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ツールドフランス2023が開幕!ロードサイクルのルール・ベット方法・狙い目を徹底解説

ツール・ド・フランス2023の特徴は?

世界最大の自転車レース「ツール・ド・フランス」が1日に開幕した。第110回大会となる今回は、スペインのバスク地方ビルバオで開幕し、23日にパリ・シャンゼリゼでフィニッシュするコース。出場22チーム・176人の選手が夏のフランスを駆け抜ける。

「史上最も山の多い大会」とも称されるツール・ド・フランス2023年。総獲得標高(ルート上の最高地点からスタート地点の標高を引いて算出)は56,266mと近年例のない数字となり、5日目にしてピレネー山脈での山岳コースが始まるなど異例づくめ(1週目はスプリンター向けの平坦コースが用意されていることが多い)。

今大会に先だっては、Netflixでツール・ド・フランスのドキュメンタリー「栄冠は風の彼方に」が放送され、注目が高まっていた。今大会でロードサイクル予想の世界に足を踏み入れた方は、とてもわかりやすく競技の魅力や勝負の考え方が描かれているのでぜひ見てみてほしい。

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5日目にピレネーに突入した後は、中央高地、ジュラ、アルプス、ヴォージュと1992年以来25年ぶりにフランス5大山脈の全てを通過するコースを走破することになる。

21日間の行程の内訳は、平坦ステージが8、丘陵ステージが4、山岳ステージが8、そして1つの個人タイムトライアルだ。

ツール・ド・フランスのルールは?

ツールの結果を予想して楽しむために、簡単に自転車ロードレースのルールをおさらいしておこう。

ロードレースには、1日で完結する「ワンデーレース」と、2日間以上(複数ステージ)に渡って開催される「ステージレース」の2種類があり、21日間で戦われるツール・ド・フランスは文字通り世界最高峰のステージレースとなる。

ワンデーレースの場合は着順(ゴール時の順位)が全ての結果となるシンプルな対決なのに対し、ステージレースはいくつかの優勝や賞が設定されている。

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まず大会を通じて最高の栄誉となるのが総合優勝(総合タイム首位)。初日から全21ステージを通して最も累積タイムが少ない選手がツール・ド・フランス総合優勝となり、総合首位(リーダー)が着用するジャージから「マイヨ・ジョーヌ(仏語・黄色いジャージ)」とも呼ばれる。

また21日の各ステージの首位は区間優勝(ステージ優勝)として表彰される。ワンデーレースのように着順での決着で、先頭でフィニッシュラインを通過した選手が優勝となる(個人タイムトライアルは1人ずつスタートするためタイムが最も早い選手が優勝)。

ほかに中間スプリントポイントとフィニッシュラインのポイントを最も多く積み重ねた選手に贈られるポイント賞(マイヨ・ヴェール)、山岳コースでそれぞれの山に設定された山岳ポイントのトップが輝く山岳賞(マイヨ・ブラン・ア・ポア・ルージュ)といったタイトルもある。

こうした個人タイトルのほかに、それぞれのステージでの各チーム上位3選手のタイム合計で争うチーム総合順位といった賞もある。

ツール・ド・フランスのベッティング方法は?

ロードレースを取り扱っているベッティングサイトでは、大会を通じたタイトルから各ステージの着順、チーム総合順位まで様々なベットメニューを用意している。

まずは総合優勝の予想(stakeより)。

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総合順位の予想は優勝選手を当てるだけでなく、表彰台に上がるトップ3を当てるベット方法もある(競馬で言う複勝)。写真はロードレースのマーケットが豊富な賭けっ子リンリン

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総合優勝だけを予想するベット方法と違い、本命の優勝予想が外れても的中する可能性はあるが全体的にオッズは辛め。優勝候補と見なされるトップ2のヨナス・ヴィンゲゴー(ユンボ・ビスマ)やタデイ・ポガチャル(UAE)がともに1.1倍となるなど、オッズ的な旨みは低いと見るべきか。

ほかにポイント賞、山岳賞、チーム総合優勝といったタイトル予想もベッティングサイトによっては受け付けている(写真は賭けっ子リンリン

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ステージの結果を予想するベット方法もいくつか用意されている。まずはステージ優勝と3位以内の選手を予想する方法(sportsbet.ioより)

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特殊なベット方法としては「ヘッド・トゥ・ヘッド」といったやり方も。これは並べられた2人の選手のうち、どちらが先着するかを予想するベットで、ある程度選手の名前やチームがわかると観戦が盛り上がる予想方法だと言えるだろう(写真はカジ旅より)。

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的中させやすいベット方法は?総合優勝は狙いにくい?

ここまでロードサイクルの簡単なルール・観戦の仕方とベッティング方法について解説してきた。その上でサイクリングベットのコツとツール・ド・フランス112回で狙いたいベットのラインを考えてみたい。

ロードサイクルには大きく総合系(大会を通じた)タイトル・賞と、ステージごとの優勝・結果があると先に書いたが、総合系、特に総合優勝予想で大きなリターンを手にするのは難しいと言えるだろう。

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今大会の優勝候補大本命として名前が挙げられるのは連覇を狙うヴィンゲゴーと、2020年から2連覇したポガチャルだいうのは衆目の一致するところ。ステージレースでは各チームに「エース」という総合タイトルを狙う役割の選手がおり、かつ長丁場の戦いではエースを勝たせるアシストたちの力やレース分析や作戦策定・監督の能力を含めたチーム力を物を言う。

もちろん大会期間を通じて予想外のアクシデントが頻繁に起こるが、平坦コースのスペシャリストであるスプリンターに総合優勝を目指させるようなことは起こらない。つまりマイヨジョーヌを纏って最終日にシャンゼリゼでフィニッシュするのは、力のある選手が集まったチームの総合系エース(ツールは山岳コースが多いので必然的にクライマー系総合エース)となる。

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改めてstakeオッズを見てみると、ポガチャルが1.95、ヴィンゲゴーが2.00、3番人気の昨年のジロ・デ・イタリア覇者ジャイ・ヒンドレーが17.00、以降20倍以上となっている。

いくらポガチャルとヴィンゲゴーが圧倒的優勝候補だとしても、この2人のトップを予想するにはあまりに旨みが小さいオッズだろう。仮に2人立てのレースであれば自身のレース分析と予想力で的中率・リターンを上げられるかもしれないが、不確定予想が大きいステージレースでなおかつ2人・チームの実力が拮抗しているとなると、極めてギャンブル性のベットだろう。

もしも総合系で予想したい場合は、高オッズ選手への応援ベットか総合優勝を狙うチームの思惑と展開を予想した、ポイント系タイトル狙いがオススメだ。

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例えば、今大会は山岳ステージ多く序盤からユンボ・ビスマとUAEのバチバチ対決が繰り広げられれば、総合リーダーマイヨ・ブラン・ア・ポア・ルージュ(ちなみにフランス語で白地に赤い水玉模様の意味)をが着る展開も起きうる(2枚ジャージを持っており場合は高位のジャージを優先)。

そうした展開を予想した時にポガチャル4倍、ヴィンゲゴー5倍は悪くない数字に見えてくるかもしれない。

押さえておきたいステージ優勝予想は?

繰り返しになるが、毎日のステージの位置付けは、それが何日目なのか、平坦か山岳か、総合争い・各ジャージ争いの状況がどうなっているかで大きく変わる。

平坦ステージは比較的ゴール前でスプリンターが直線勝負という展開になりやすく、下馬評やその日までのステージから見える調子を元にステージ優勝が予想しやすいと言えるだろう。

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今大会でスプリンターを挙げるとすれば、Netflixドキュメンタリーでも存在感を発揮していたヤスペル・フィリプセン(アルペシン・ドゥクーニンク)、ファビオ・ヤコブセン(スーダル・クイックステップ)、カレブ・ユアン(ロット・スーダル)、フィル・バウハウス(バーレーン・ヴィクトリアス)あたりは勝負に絡んできそうだ。

ブライアン・コカール(コフィディス)、ビニヤム・ギルマイ(アンテルマルシェ・サーカス・ワンティ)あたりも本命を食うに十分な実力のバイプレイヤーであり、通算勝利記録がかかるいぶし銀のマーク・カヴェンディッシュ(アスタナ・カザクスタン チーム)や今大会が最後のツールと噂されるスーパースターのペーター・サガン(トタルエネルジー)も大会中のステージ勝利を狙っているだろう。

昨年大差をつけてマイヨ・ヴェールを獲得したユンボのワウト・ファンアールトは今大会でポイント賞を狙わないと宣言しており、こうしたスプリンターたちの競演に注目だ。

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なお、同じスプリンター向けステージでもコースを通して平坦基調か、上りの後の直線なのかでも展開は大きく異なる。今大会で言えば7月8日(土)のステージ8・リブルヌ→リモージュなどのコースでは、上れるスプリンターを本命に置いた予想ができそうだ。

最後に山岳コースの予想についても触れておきたい。山岳コースは日程とタイム差を勘案し、総合チームのバトルが勃発する(特に後半の)山頂ゴールのステージであれば、ヴィンゲゴーとポガチャルが絡むことが予想できる。

逆にお互いが牽制しあっている前半のステージ、タイム差がそれほどなく逃げが容認されるようなステージであれば、2人はステージ優勝争いに絡まず、逃げグループから誰かが優勝する展開もあるだろう。ただ逃げグループからからの勝利予想はチーム戦略と狙いを含めて総合的に判断する必要があり、とても難しい。

逆に総合優勝にもスプリントステージにも絡めない思わぬチームが、山岳で逃げを打つケースも比較的起こるので、ステージ優勝「しない」予想で痛い目を見ないように注意したい。

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